何度目の登場かわからない、この写真。工房楔さんのコンプロット10紅白花梨です。
楔さんオリジナルの万年筆ケースであるコンプロットシリーズ。そのなかでも10はもっとも大きく、そのためもっとも大きな原木を必要とします。
花梨の瘤杢のなかでも紅白と呼ばれる二色の杢目が入り混じった材はなかなかでないそうで、いつまでも待ちますと申し上げて、数年たってようやく作っていただくことができた一品です。
実はその間にも、もう少し小さなサイズのコンプロットなら、ということでお話をいただいたことがありましたが、どうしても10で紅白が欲しく、大変心苦しかったのですが、お断りした経緯がありました。
二番手で妥協すると結局一番手を忘れられず、後悔し続けることになるか、結局一番手を手に入れる羽目になって、二番手が宙ぶらりんになるか、そのどちらかだと思ったからです。
もちろん、身の丈にあった、金額であったり、できる範囲で、という注釈はつきますが、結果として公開せずに、無駄遣いにもならないお金の使い方というのは結局のところ
こだわりのあるものを選ぶときは一番欲しいモノを買う、それ以外のもので妥協しない、これにつきるように思います。
逆にこだわりのないものは、できるだけ身の回りにおかず、できるだけ買わないで済ませる方法を考えることが得策です。中古で購入してもいいですし、リーズナブルなしなものがあれば、それを見つけるのも生活の知恵の一部でしょう。
コンプロット10紅白花梨は一番気に入っているものですが、あのとき妥協しなくて本当によかったと思います。もう文具売り場で他の万年筆ケースを見ることもなくなりました。
それに
もし今も手に入っていなくても、いつか、と思いながら待つのも人生にとっては悪くない楽しみにの一つ。
こだわりのあるモノでは二番手は選ばない。
コンプロット10紅白花梨が教えてくれた大事な鉄則です。