ZOOM 505bw(トンボ・ズームシリーズ)の使用感

東京駅の丸善で一目惚れをして、少し頭を冷やそうとおもったのですが、その日の晩にはネットで注文をしてしまたったという逸品。トンボ鉛筆の「ZOOM 505bw」です。これは、数字を変えた様々なラインナップがリリースされており、ZOOM707はDESIGN PLUSを受賞するなど、国外でも有名で、そちらはご存知の方も多いのではないでしょうか。

このZOOM505bwはアルミボディにヘアライン仕上げ。ペン先は0.5mmで水性染料系インクを使用しています。ちなみに、ヘアライン仕上げは、金属の表面に細いラインはいったようになる表面仕上げのこと。アルミやステンレスなどでよく見られるものです。スタイリッシュなアルミの軸にラバーグリップがまた非常にマッチしていて、一見したときの高級感は2000円程度の商品には見えません。カクテルをつくるシェーカーのように見えなくもないですね。

水性ボールペンはインクのフローがよく、その点は万年筆に勝るとも劣りません。私の感覚では、国産メーカーの中字に近い。最近のゲルインクの細さが好みという方には到底お勧めできませんが、万年筆を使っていたり、滑らかに字を書く、スムーズなアウトプットが欲しいという方にはお勧めのペンです。(アイディア出しなど)。

ちなみに、水性というのはインクを溶かす溶媒が水性ということ。インク本体である発色する物質そのものとは関係がありません。そしてインク本来は染料系と顔料系に分かれます。

染料系は溶媒に、インクが溶けているもの。一般的に顔料系が、水に滲まないという考えから、染料系は水に弱いと思われがちですが、染料系の定義はあくまで、溶媒に溶けているかどうかなので、溶媒が油性なら溶けません。一般的に昔主流だった事務用のボールペンはみな油性の染料系です。

顔料系は、これと違い、インクの粒子が溶媒に溶けていないもの。水性顔料系、ということであれば、インクそのものは耐水性が高いので、水が乾けば上から水がついても色が流れたりはしません。だから、このズーム505bwのポップにも、契約書などにも使えるとうたってあるというわけです。

ただし、水性はインクの粘性が低いので、さらさらかける反面紙の上で滲みやすいという特徴もあります。だから、このボールペンはペン先は5mmとうたっているけれど、フローが潤沢なのでゲルインクの5mmなどと比べたらよほど太く見えるというわけです。

最近は、ボールペンで人気のゲルインクは、この水性顔料系のインクにゲル化剤を入れることで粘度をあげて発色をよくするものです。こちらは、細く書けるし、発色もよい。にじみもすくないので、広く普及しています。でも、水性インク独特の書きやすさ、「さらさら感」はまた格別なものがあります。

ちなみに、「さらさら感」といえば万年筆。万年筆のインクの多くは水性の染料系ですから、さらさら書けて水に弱い。だから契約書には使えない。こうして公の場から万年筆が消えていったというわけですね。 ※リフィルは BK−L5P

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