写真はイメージです
先日、どうしても読んでおきたい長編のマンガがあったので、マンガ喫茶に行ったところ、最初の店舗で「身分証がないと会員券が作れない」と言われてしまいました。
最近、少しでも財布をスリム化し、万が一紛失や盗難にあった際もダメージを最小限にできるようにと免許証や保険証などを持ち歩いていなかった私は「現住所が確認できるものが一つもない状態」
「東京都の条例で都内のマンガ喫茶ではすべて同様のお願いをしております」という店員さんの申し訳なさそうな表情に、これ以上何を言うこともできず、
すごすごと退店したのですが、その前に一帯のマンガ喫茶を調べていたときに、カフェ席だったら、会員登録しなくても利用できる、という店があったような気がして、少し歩いてそのお店にトライ。
インターネットを利用しないのであれば、会員登録しなくてもOKです、と言われ、もとよりマンガをちょっとまとめて読みたかっただけなので、二つ返事でOK。
無事に読みたかったマンガを読むことができました。
しかし、東京都のすべてのマンガ喫茶では身分証の提示が求められるのではなかったのか、とちょっと不思議に思って調べてみました。
すると東京都条例第64号「インターネット端末利用営業の規制に関する条例」の第4条の本人確認義務において、インターネットに接続できる環境を顧客に提供する場合は、本人確認をしなければならない、という規則になっていました。
(本人確認義務等)第四条 インターネット端末利用営業者は、顧客に対し、インターネットを利用することができる通信端末機器を提供して店舗内においてインターネットを利用することができるようにする役務の提供(以下「役務提供」という。)を行うに際しては、運転免許証の提示を受ける方法その他の公安委員会規則で定める方法により、当該顧客について、氏名、住居(本邦内に住居を有しない外国人で公安委員会規則で定めるものにあっては、公安委員会規則で定める事項)及び生年月日(以下「本人特定事項」という。)の確認(以下「本人確認」という。)を行わなければならない。2 顧客は、インターネット端末利用営業者が本人確認を行う場合において、当該インターネット端末利用営業者に対して、顧客の本人特定事項を偽ってはならない。
ですから、インターネット端末の利用できる場所とそうでない場所が明確に分かれていない店舗では、免許証などでも身分証の確認が必須だったのに対して、インターネット端末がある個室や共用部分と、それ以外のカフェ部分を区別した2軒目の店舗では、身分証の提示が求められなかったんですね。
マンガだけ読みたい、というユーザーにとってはインターネットは別に必要ないので、後者のようなお店は正直ありがたいです。
本来、インターネットとは関係のなかったマンガ喫茶にはそもそも必要のない規制ですが、マンガ喫茶とインターネットカフェが融合し(というかマンガ喫茶がネットカフェに進化し、そこがネット犯罪の温床になったりでつくられてしまった規制ということなのでしょう。
調べてみると、身分証がなくても(インターネットを利用しなければ)施設を利用できることをうたったマンガ喫茶やインターネットカフェはあるようですね、ご参考までにご紹介します。