ビットコインってなんだっけ?

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中国の仮想通貨取引所、9月末で全取引停止・閉鎖へ

中国にある仮想通貨の3大取引所の一つ、「ビットコイン中国」は14日、新規利用者の登録をやめ、9月末で仮想通貨人民元との交換など全取引を停止して閉鎖すると発表した。ほかの取引所も閉鎖されるとみられる。取引量の多い中国の規制は世界中の仮想通貨をめぐる議論に影響しそうだ。

(朝日新聞デジタル)2017年9月14日23時10分

朝日新聞デジタルで、中国の三大ビットコイン取引所が閉鎖されたというニュースがでていましたね。最近ニュースでもよく見かける「ビットコイン」。仮想通貨でしょう?ということは知っていても、それ以上の詳しい知識はあまりない方も多いかもしれません。ビットコインについて、ちょっとまとめてみました。

ビットコインとは何か

まず、ビットコインはお金であり、仮想通貨です。

仮想というと、なんだか子ども銀行券のような感じがしますが、ここでいう仮想というのば貨幣や紙幣としての実態がない、という意味です。楽天などで付与されるポイントも実態がないけれど、偽物ではありません。こられと同じく、ビットコインは実態がないだけでお金なのです。

では、このお金はだれが管理しているのでしょうか。ビットコインには日銀のような中央銀行は存在していません。代わりに、ネット上に、大きな「管理台帳」が存在し、その管理台帳がビットコインのすべての動きを把握し、取引を追記しています。

このビットコインは中本哲史という人物が2008年10月に論文でその概念を提唱し、2009年1月にはその理論を実現するためのオープンソースソフトウェアがwebで公開され、瞬く間に全世界に広がり、2010年5月には、世界で初めてビットコインによる取引が行われました。

ビットコインはネット上で”採掘”される

では、このビットコインを発行しているのは誰なのでしょうか。正解はだれも発行していません。普通の法定通貨は日銀などの中央銀行が発行していますが、ビットコインは発行されるのではなく「採掘」されます。少し長いですが、非常に面白いところなので参考サイト様の記事を引用します。

ビットコインは、一定期間ごとに、すべての取引記録を取引台帳に追記します。その追記の処理には、ネットワーク上に分散されて保存されている取引台帳のデータと、追記の対象期間に発生したすべての取引のデータの整合性を取りながら正確に記録することが求められます。

その整合性を取る作業はコンピューターによる計算で実現できるのですが、膨大な計算量が必要となります。分散されて保存されている1つの大きな取引台帳のデータも、追記対象の取引のデータも、すべてを正確に検証してから追記しなければならないのです。

そこで、ビットコインでは、この追記作業に有志のコンピューターリソースを借りています。余っているコンピューターの計算能力を借りることによって、膨大な計算を行い、みんなで共有する1つの大きな取引台帳に追記を行っているのです。

この追記作業の手伝いをしてくれた人、追記作業のために膨大な計算処理をし、結果として追記処理を成功させた人には、その見返りとしてビットコインが支払われます。つまり、追記作業を手伝ってビットコイン全体が健全に運用されるようにがんばってくれたことへの報酬として、ビットコインが支払われるのです。

この報酬は、新たに発行されたビットコインによって支払われます。つまり、通貨の新規発行がこの瞬間に起こるのです。

このように、新規発行のことをビットコインでは発行されるのではなく、「採掘」(マイニング)と呼びます。この採掘を通じてビットコインは新しく生み出され、新しく流通を開始します。ネット上の有志のコンピューターリソースによって成立しているビットコインならではの仕組みと言えます。もちろん、この発掘にしても無尽蔵に割り当てられるというわけではありません。ビットコインは2140年までに2100万ビットコインまでしか、流通させない、という総量枠が設けられており、これを超えるビットコインは発掘されないことになっています。

私もまだまだビットコインについては不勉強なのですが、ここまでまとめてきたところでの疑問をメモしておきます。

いま世界中に流通しているビットコインは何ビットコインなのか
総量規制をしているのは、とはいっても「誰」なのか
中本哲史という人物は実在するのだろうか

ビットコインを支える革新技術「ブロックチェーン」

それでは、ネット上のデータなどは改ざんされたりしないのでしょうか。通貨である以上、誰もが心配なのが、そのセキュリティです。

ある日、自分がもっていたビットコインがネット上で消失してしまったり、取引が改ざんされて不当な不利益を被ってしまっては誰も怖くてビットコインを使うことができません。

それを防止しているのが「ブロックチェーン」と呼ばれる新しい技術です。ブロックとは取引が100から1000個単位でまとめられているデータのことで、それを各ブロックごとにハッシュとよばれる暗号をつかって暗号化しネットワーク上を行き来します。ブロックごとに暗号がかけられ、さらにその整合性をネットワーク上の台帳で管理しているため、一つのブロックにたとえ改ざんが行われたとしても、他のデータとの整合性が取れなくなるため、ここに改ざんを行っても意味がないという強味があるのです。

そして、そのブロックに対して「取引」が書き込まれることを「トランザクション」といい、そのトランザクションが個々人のコンピューター上で行われることでビットコインの取引は成立しています。ブロックに書き込まれた取引は暗号化され、ほかのブロックとともにネットの大きな管理台帳の一部として追記され、全体でビットコイン取引の整合性が担保されているというわけです。

ビットコインのメリット

ビットコインの最大のメリットと言われているのが「個人間での送金」が容易。ということです。これまでだれかに送金する場合、手渡しを除いては、どこかの金融機関に口座を開設し、そこに対してお金を振り込む手続きを依頼しなければなりませんでした。その場合、銀行間での手数料の問題のほか、海外への送金であれば多額の手数料のほかに為替レートの問題もでてきます。

ビットコインはその点、ネット上の通貨ですから、ボタン一つで相手に送金することができます(ウォレットの仕組みなどは割愛)これが世界中で流通するようになれば、少額決済も容易になり、少額ビジネスも活発になるのではと言われています。

しかし、この仕組みは国家にとっては必ずしもいいことばかりではありません。例えば、中国では人民元と外貨の交換は外貨管理局に許可を得なければならないとされています。人民元から外貨への交換は特に厳しく、これは中国当局が国内の資産が海外に流出することを強く警戒しているためだといわれています。冒頭のコインの取引所の停止はこの一連の規制の流れの中にあると考えられます。人民元からビットコインへの交換を制限なく認めてしまうと、一度ビットコインになったものに対して、ドルなどの外貨と交換することについては、国家は規制することができなくなってしまいます。

採掘でビットコインを得ることができない一般の人にとっては、何かを販売した対価としてビットコインを受け取るか、各国にある取引所で手持ちの法定通貨をビットコインにかえるしか方法はありませんから、取引所が閉ざされてしまうと、ビットコインの取引には大きな影響があると言わざるを得ません。中国はビットコインの取引量が多いため、今後のビットコインについての議論に影響がありそうだ、という記事のまとめた、そうした背景があるからなのです。

参考サイト

ブロックチェーンの仕組みを知ろう | red-frog017.click
ブロックチェーンとは、どのような仕組みによって成り立っているのでしょうか。仮想通貨や銀行でも使われる技術であるようですが、難しそうです。今回は、ブロックチェーンの仕組みをわかりやすく解説します。
https://bitflyer.jp/BitcoinMining

そんなビットコイン、手を出すかと言われたら

私個人としては、ビットコインに手を出すかと聞かれると、現時点では勉強不足もありますが、まだ、手を出さない、と答えますね。理由は3つ

  1. 特にビットコインでないと買えないものがいまはない
  2. 投資用としてもビットコインにつぎ込む「余剰金」はない
  3. 価値が変動しすぎていて、実用性に疑問がある

日本ではビックカメラなどでも利用ができるようですが、実店舗ではまだまだ利用できる場所が限られており、海外店舗で買い物をする機会もない。(そんなことでいいのかという別のお叱りはうけそうですが)

そうなると、ビットコインを投資の対象としてみることになるが、価格の変動リスクもあり、先の中国の例のように国家側が新しい規制を繰り出さないともいえない。通貨が自由になっても、国民としてネイションに縛られている以上、なんらかの規制をうける可能性があり、それによってはビットコインも現在「夢」を描く状態から覚め、価格の下落する可能性がある。少額でドルコスト平均をつかってちょっとずつ買えたりするなら、考えてもいいが、それなら50年くらいのスパンでビットコインが存在し続ける必要があるが、そこまでのものかどうか、まだ自分の研究が足りず、こわくてお金はだせない。

1、2と重なるが、現状で価格が高騰したり急落したりして、1日のなかでも価格が大きく変動している。買い物をして決済されたタイミングで価格が急落し、そのあとまた急騰した場合、その買い物でひどく損をしたことになる。そんな怖い通貨は使えない。

(例えば、1ドル100円のつもりでものを買ったのに、決済のタイミングで円の価値が暴落して仮に1ドル1000円になっていたとすると、この買い物には実は1000円が必要だったことになります。また、次の瞬間には1ドル10円くらいに円が急騰すると、円の価値が100倍になり、使ってしまった1000円の価値が、いきなり100,000円と同じ、ということにもなります。つまり、さっきの買い物で、100,000円使ったのと同じことになってしまう、もうわけがわかりません。しかし、ドルをもっていた人にとっては、なんだかすごく損をした気持ちになりますよね。同じことがビットコインでも起こりうる状況です。そんな怖い通貨は投機にはいいのでしょうが、日常では怖くて使えません)

もうちょっと調べて、長期的な仕組みの安定性がわかれば、勉強のために0.0001ビットコインくらいかえたら、持ってみたいとは思いますけどね。勉強のために。

続報(9月17日)

みずほフィナンシャルグループは今月、ゆうちょ銀行や地方銀行約70行を集め、新たな仮想通貨についての勉強会を開きました。仮称「Jコイン」と呼ばれるこの仮想通貨は、ビットコインなどのように価格が変動せず、あらかじめ、銀行口座にある円をJコインに替えることで、スマートフォンを使ってお店で支払いをしたり、個人の間で代金の受け渡しをすることが可能になります。

ANN NEWS https://news.yahoo.co.jp/pickup/6254348

やはり価格変動は仮想通貨の使い勝手としてはネックですから、上記のような取り組みができれば便利かもしれませんね。ただ、銀行はこれまで振り込み手数料などで稼いできたわけですから、銀行がつくる仮想通貨が、ビットコインのような自由で手数料もかからないイノベーティブなものになるかどうかは甚だ疑問です。口座にある円をJコインかえた場合、そのお金は個人の管理下に置かれるのか?そのときのセキュリティは?それともその銀行の口座にJコインとして預金されるのか?その場合の金利は?とまだまだ勉強不足でわからないことだらけです。

★ビットコインについてさらに理解を深めるために読みたい本★

      

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