齋藤孝の知の整理力

Contents

この本を一言でいうと

知識をきちんと整理してつながりを持たせ、知的で生産的なアウトプットにつなげられる”知性のある人”になるための手法と考え方を書いた本

目次

  1. 「知」は、伝わるからこそ生きるもの
  2. 経験に引き引きつけられた「知」は強い
  3. 「知」が整理されていると、賢く見える
  4. 「知」を磨くための読書術
  5. 知的な人は、「知」を味方にしている
  6. 「知」は、こんなところでも生かせる

イチ押しするこの本の3つのポイント

  1. 情報は「秩序型」と「カオス型」に分類できる。
  2. カオス型の情報は知識と個人的な経験とのつながりを持たせることで生きた知識となる。
  3. 秩序型の情報は図化し、再度文章化することができれば完全に理解しているといえる。

学校の試験用の「秩序型」の記憶は苦手だった人でも、自分の好きなことを覚える「カオス型」の記憶が得意ということがあります。映画好きの人が誰も知らないマイナーな映画のスタッフを覚えていたり、鉄道好きが全国の駅名を覚えていたりしますよね。

自分のなかの面白センサーが反応したからという勝手な理由で知識をより分けていく。この自分基準の記憶法が、意外にも人生を楽しくしてくれて、結果として役に立つことがあるのです。

私自身が、「情報の整理」について考えるうえで、このカオス型と秩序型の区分は非常に参考になりました。秩序型はいうなれば学校の教科書のように体系的に組み立てられた知識です。一方のカオス型は枝葉末節、バラバラで体系だていない、チップスのような情報。我々が普段日常生活のなかで浴びるように接している情報はカオスな情報というわけです。

この分類はその通りだと思います。また、情報を生きた知識に変えるためには、経験に引き付ける、というのも有効な方法だと思います。ただ、私の考えからすると、情報は経験に引き付けるというよりも、情報をもとに行動を起こし、その結果、もともとの情報が経験と結びついてより強固な知識となる、という流れがより正確ではないかと思います。

図化と文書化を交互にすることで理解が深まり、わかりやすくなる

体系化された知識は図解し整理する、というのは全くその通り。私も仕事をしていくうえでその重要性を痛感しているポイントです。そもそも体系化された情報にはかならずストーリー、もしくは構造があります。図化してみることは、その構造を見える化することになります。

例えば、用途がはっきりしたものだけを手元に置くようにすることを、モノと役割の一対一の関係と言葉で書くだけでなく、それと合わせて次のような図を書いてみるとよりわかりやすくなり、自分自身の理解も深まります。

一方、図だけになってしまうと、その構造がなんとなくわかったような気になってしまうので、その構造の流れ、因果関係や時系列などを文章に直してみると、そういったあいまいな理解がさらに整理され、理解がより完璧なモノになるというわけです。これは非常に勉強になりました。思考の整理の部分でも取り入れていきたい部分です。

言っていることを図に書いて説明できるか。また、その図を言葉で論理的に説明できるかどうか、新人の企画書などを精査していてもよく思うことですが、理解を確かめたり、考えを深めるうえではとても重要なポイントです。

まとめ

情報の区分は「情報の整理」で。図化と文章化の往復は「思考の整理」に参考にさせていただきたいと思います。

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