サバイバルゲームをしている、というと周囲の反応としては真っ二つに分かれる。私もやってみたい、という人と、私には無理、という人だ。みな大人なので、とりあえずは「面白そう」とは言ってくれる。その辺、自分の周りにいる人は、できた人が多いなと思う。さて、とはいえ、「やってみたい」という人のなかで、じゃあ行こう、となるのはこれまた少数だ。最近では、オールレンタルで、手ぶらでサバゲ、というインドアフィールドも増えたし、アウトドアフィールでもレンタルが充実しているところはあるにはあるが、それとは別にやはりエアソフトガンで撃ちあう、ということに抵抗感を感じる人はまたまだ多いのである。
そんななか、先日、NHKで「サバゲ―」が取り上げられた。ついにそこまできたかと、その裾野の広がりを好々爺のように目をほそめる。ちなみに、まるで、好々爺のような、という表現が使われた場合、絶対に言葉通りの好々爺であることは少なく、お庭番集のような強さを秘めている爺であることが多いので注意が必要だ。
もとい、NHK ドキュメント72hours「“サバゲ―”を生きる人たち」である。
番組ではいろいろな人たちが紹介されていたが、いささかアクが強い方も多かった。ちょっととがったひと紹介しすぎじゃないか!という感じで古参のゲーマーの方が苦言を呈されていたツイートなどもあったようである。
なんといってもテレビなので、そのあたりはあまりにマイルドだと、編集もしにくいのではないかと思うのだが、確かに、鉄道模型なんかの趣味を紹介する場合は「超絶技巧」といった切り口になったり、この道何十年、という切り口にするんだろうに、なぜかサバゲ―だとそっちにいかないのか、という素朴な疑問は感じた。
UABのようなスポーティなものから、装備やら世界観再現を重視しているものや、独自色を出したコスプレものまで様々な裾野の広がりがあることを示して、そのなかでとがっている人にご登場いただく、という形にしてもよかったのではないだろうか。
もちろん、番組で取り上げられた方々がどうこうというのでは全然ない。歴戦の猛者であり、尊敬すべきゲーマーさんなのだと思う。番組自体もわるくなかった。だが、本来は個人の人生の領域に属する事柄をことさらサバゲ―と結びつけているような気はした。サバイバルゲームは人生を仮託するようなものではなく、もっと気軽に楽しめるものだと思う。
などと、つい観ている側はかってに思ってしまうのだが、取材の現場では、おそらくあの100倍くらい取材して、100倍くらいいろいろな人に声をかけたのだろう。それはそれはスゴイ労力だったし、番組としてはイイ感じのマトマリがあった。ただ、サバゲーにいろいろ託しすぎて、もっと気軽に楽しめるところがちょっとわかりにくかったようなきがする。私もやってみたい、という人をふやすことは、できなそうである。