ガンダムNT(ナラティブ)ネタバレ考察 フェネクスはなぜ戻ってきたのか

さて、それでは感想をば。

ナラティブはUCの後、正当な宇宙世紀の続編として、F91に連なる時間軸の間を埋めるものとして結構期待してみました。

そして、感想としては…。

微妙。

面白いのですがいくつかツッコミどころというか自分の理解力が足りないせいでちょっとわからない点が多く、それが気になってしまったというところです。

そのあたりを今回は少し書きながら整理していきたいと思います。

Contents

なぜ、フェネクスは戻ってきたのか

物語の最大の謎はここになります。ユニコーンやバンシイと同時期に作られたフェネクスは実験中に暴走し、そのまま消息を絶ちます。

そして1年後に再びその姿を地球圏にあらわすわけですが、それがなんでかわからない。

ネオジオングⅡが「人類にはまだ手に余る」ものだったので、それを破壊しに戻ってきた、という話なのだと90分のなかでは理解しましたが、それにしてはフルフロンタル大佐が大暴れされていた時にはどこをさまよっていたのか、という疑問がなきにしもあらず。

あとは、リタ・ベルナルがすべてを予見していた可能性ですね。彼女は最初のコロニー落としを予見した本物のニュータイプであり、彼女だけが奇跡の子供だったわけですが、それをあえて友達二人、ヨナとミシェルに共感によって伝えている。

それによって彼らは助かるもその後過酷な運命に巻き込まれてしまうわけですが、そのすべてが、本作でのゾルタン・アッカネンの暴走を食い止めるために彼女が仕組んだことだった、とみることもできなくはない。

ゾルタンの暴走は地球圏を壊滅させる可能性があったのですから、真実のニュータイプだった彼女にはすべてが見えていた。その時にはユニコーンもバンシイも封印されていて、止められるのは自分しかいない、ただし、一人ではできない。ヨナとミシェルの力が必要になる。

だからこそ、1年の時を経て、このときに地球圏にフェネクスとともに戻ってきた。この考え方は成り立つと思います。

オマージュが多すぎてなんとも

これは謎でもなんでもないですが、本作にはやたらと旧作のオマージュが多い。その最たるものが

「サイコフレームが多い方がナラティブに有利なんです」(ミシェル)

こ、これは、あの伝説のチェーンアギの死亡フラグ。

ミシェル死ぬのか

しかもあの爆発の際のアングル。ナラティブとハサウェイのジェガンを重ねてみた人も多かったのではないでしょうか。

なんというか、正直、そこまでする必要はなかったんじゃないかと。

新しい正史を綴るうえで、必要以上に旧作のオマージュが挿入されるとどうしても意識がそちらに引っ張られて「ネタ」感がでてしまうんで、それがなんともいえない。

ミシェルのついた嘘は何だったのか

奇跡の子供たちは3人いるが、本物は一人だけ。

その本物をティターンズの研究所から引き取ろうとするルオ商会。そして本物は渡したくないティターンズ。いずれにしても、本物の一人は誰かということが問題になるわけですが、ここでティターンズは、庇いあう彼らに嘘を吹き込むことを考えます。

それは、本物のニュータイプはルオ商会に引き取られ、残りの二人は実験台として切り刻む、というもの。

これを偶然耳にしたミシェルはヨナにリタが本物であることをティターンズに伝えることを提案します。

ただ、これがなぜ3人が生き残ることに繋がるのかがよくわからない。彼女はこれが三人が生き残る道だ、といいますが、それが本当なら残った二人は解剖一直線。

それとも場面とセリフを完全に記憶していないのですが、自分たちがそれぞれ本物だと申告しよう、といったのでしょうか。どうもそうではないですよね。リタがルオ商会に引き取られれば、戦争が終われば助けてもらえる、ともいっていましたし。(それはヨナをだます方便だったわけですが)

ミシェルにとっては、本物がルオ商会にいくというが嘘だとわかっている。そのうえで、リタを本物だと言うことで、リタはティターンズに残されることが確定される。

そしてルオ商会に差し出されるのは自分かヨナのどちらか、そして彼女はその時点でヨナも裏切り、リタが本物だと密告したうえで、自分ならルオ商会でうまくやってみせる、本物のリタをティターンズが確保して、自分を差し出しても迷惑はかけない、とティターンズに請け負うことで自由を得たのでしょう。

それはヨナ隊員も根に持つはずです。

おそらく、ミシェルのついた嘘は、リタが本物の奇跡の子であると二人でティターンズに密告しよう、そうすればリタは助かるし、そのあとで自分たちも助けてもらえる、とヨナに吹き込んだことでしょう。

そのうえで、自分自身は偽物の奇跡の子として、ルオ商会でずっと命がけの嘘をつき続けてきた。

すべては生き延びるため、そしてルオ商会の力をつかって、ヨナとリタを探そうとして彼女ですが、ときすでに遅し。ヨナの消息はつかめたものの、リタはフェネクスの暴走事故で消えたあとだったというわけです。

フェネクスの捕獲作戦は、フルサイコフレームの力を発揮する機体を捕獲することで、ルオ商会のトップである義父に永遠の命を差し出したかったのが表向きの理由であり、最大の理由が、意識がサイコフレームに宿るなら、リタに許しを請うことで最終的にはヨナに許されたかったのでしょう。

彼女はずっと自分の気持ちにも嘘をついてきたのですね。

ニュータイプとはなんなのか

本作ではニュータイプは、魂の領域にコンタクトできる存在、として描かれます。人の意識を力にかえるサイコフレームは、人の魂の領域にチャネリングして、その力を物理領域に持ち込んで行使するマシンとして描かれます。

ニュータイプはその魂の領域にコンタクトできる新しい人類。そこには肉体のかせのない時間も超越した世界が広がっています。

しかし、それは生きることを否定することにもつながりかねない。意識だけの存在魂だけの存在と肉と時間に縛られて生きる人間の世界、この世界はいまだに融和するには早すぎる、だからこそ、フェネクスもユニコーンも人間にはまだ早すぎたシンギュラリティワとして、封印されるべき存在として描かれているのです。

はからずもゾンタルが叫んだ通り、人が宇宙に暮らして100年、それでニュータイプになれってむりでしょ、(セリフ正確ではないかもしれません)というのがことの本質をついています。

まだまだ時間がかかる、人間は生きていかなければならない。

そんなメッセージかなと思いました。

※そのあと、思い出したのですが確か、ララアが逆襲のシャアで

「意識が永遠に生き続けたら拷問だわ」

と深いセリフを述べていましたね。白鳥さんの姿で。。。。

このあたりの命題ともニュータイプ神話は向きあっていかなければならないということでしょうか。

ただ、精神やら魂の力をつかって戦う描写が多すぎて、何かこう最後は

ドラゴンボールをみているような気分

になってしまったのが残念でした(;^_^A

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