出版が見送られたルポルタージュ「カミュの刺客」。この原稿には、ドキュメンタリー作家と心中し、一人生き残った女性・新藤七緒への単独インタビューが納められていた―。
物語は、この本(『出版禁止』の著者と同名であり、作中作「カミュの刺客」を出版した人物)の著者が1本のルポルタージュを手にするとことからはじまります。
ルポルタージュの著者・若橋はドキュメンタリー作家と心中し、生還した愛人の女性に、彼の死の真相を知るべくアプローチします。
彼は、そのドキュメンタリー作家を尊敬し、かねてからその死は何者かによる謀殺ではなかったのかと疑っていたのです。
ルポルタージュは、この若橋が愛人、新藤七緒に取材した過程をまとめたものでした。
生き残った愛人、新藤七緒に取材を進める過程で、彼はいくつもの意外な事実に突き当たり、ルポルタージュ、「カミュの刺客」を書き進めていくのですが…。
以下は、ネタバレを含む考察になります。
まだ、未読の方や、作品の核心にかかわる部分をまだ知りたくない方は、読まないでください。