本日ご紹介するのは安彦良和先生のマンガ『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」です。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(きどうせんしガンダム ジ・オリジン)は、安彦良和の漫画。原案は矢立肇・富野由悠季、メカニックデザインは大河原邦男。アニメ『機動戦士ガンダム』をベースにしたコミカライズ作品ではあるが、設定の見直しや外伝的エピソードの追加など独自のアレンジが施されている。
ガンダムシリーズ専門漫画雑誌『ガンダムエース』創刊号(2001年6月発売)より2011年8月号(2011年6月発売)にかけて連載された。2014年からはウェブコミックComic Walkerにてフルカラー版が順次無料掲載されている。
いわるゆファーストガンダムを描いた作品ですが、wikiの紹介にもあるとおり、外伝的なエピソードが追加されたり、アニメ版のエピソードが深堀されたりと、よりドラマ性が増しているのが本作の特徴です。
しかし、それだけではありません。
今回は安彦先生の画力に注目して、その魅力を3つご紹介したいと思います。
モビルスーツがマッシブでイイ
マスターグレードをはじめとして、最近のガンプラは非常にスマートなデザインが多く、ザクなどもスラリとしたシルエットになっています。例えば、MGザク2.0だとこんな感じですね。
もう少しずんぐりした感じが個人的には好きなのですが、安彦先生の描くオリジンのザクは、結構肉感的でマッシブな印象です。
描かれるモビルスーツのシルエットがイイ(特にザク)というのがまず一つ目のポイントでしょう。ちなみにガンダムも結構ごつごつしていて、ヒーローというよりも、機械、という感じが出ています。
また、これはさらに驚くべきことですが、序盤でまだアムロがガンダムの操縦に慣れていないときに見せるぎこちない動きなどが、マンガの一コマのなかにしっかり描かれている感じなど本当にすさまじい表現力です。
追い詰められた表情がイイ(特にガルマ)
「君の父上がいけないのだよ」というシャアの有名なセリフのあとで、自分がシャアにはめられたことを悟ったガルマの顔。これがもう素晴らしい。
この後、ガウで特攻するときの表情の出色ですが、こうした「必死」の形相がオリジンでは実にイイ感じで描かれます。表情の表現力、線が細いだけでなくそれを活かした多様な表現力がある安彦先生ならではの追い詰められたものの顔がたまりません。
これもオリジンの大きな魅力です。
追い詰める表情がイイ
これはこのコマだけだろう、と言われそうですが、読んでいて思わずアムロに同情したくなるようなフラウボの表情。自分のことを「本当に心配だった?」と聞くこの目力はいったいなんでしょうか。これだけで、ご飯3杯は戻しそうな追い詰め力です。
これはアムロもベルトーチカに…というのは言い過ぎですが、この追い詰める側の表情も非常にイイ、改めて安彦先生の画力を感じます。
モビルスーツの量感はもちろんのこと、人間ドラマとして高い評価を得ている「ガンダムTHE ORIGIN」その魅力の鍵となる追い詰められた者と追い詰める者の表情、それを表す安彦先生の圧倒的な画力こそ、オリジンの魅力と言えるのではないでしょうか。