この本は二人のとても珍しい経歴の著者が成長について書いた本です。
二人は元ビジネスエリートとスポーツエリート
一人は寝ずに働き続け、24歳にして米国のトップエリートの仲間入り。政府の重要な政策決定に携わるまでになります。そして、もう一人は18歳になるまでの毎日を、ただ走ることだけにささげ、国内最速ランナーとなります。
しかし、彼らが順調だったのはそこまで。
二人とも、そのあとのキャリアは散々なものでした。コンサルタントは、それ以降一度も昇進できず、ホワイトハウスで頭角を現すこともありませんでした。
トップランナーもその日刻んだ記録以上に記録を伸ばすことはなかったのです。
そんな二人が書いた、成長についての本が「PEAK最強の成長術」です。
- 第1部 「成長する人」に変わる
- 成長の方程式
- 絶対に成長に欠かせないこと
- 「たった一つ」にとことん集中する
- 「脳のスイッチ」を」切り換える
- 「休息」を最適化する
- 第2部 成長を「習慣」にする
- 集中する
- やめる
- 第3部 成長を「続ける」
- 「目的の力」を使う
- 目的を見つける
この本のキラーメッセージはいたってシンプル。
成長の基本はストレス&リカヴァー
これだけです。
これを式で表すとこう。
負荷+休息=成長
成長のためにアスリートにもビジネスパーソンにも必要なことは次のプロセスだと著者はいいます。
1、鍛えたい筋力や能力を選ぶ
2、その筋肉または能力に負荷をかける
3、回復するまで休息をとって、からだを適応させる
4、1~3のプロセスを繰り返す。ただし、前回よりもやや強い付加をかける
P.34
確かに、アスリートなら、そのとおりでしょう。ビジネスパーソンのスキルとなるとちょっと難しいかもしれませんが、プレゼンスキルや企画書を書く力などは、あえてその機会を増やしていくことで筋トレと同じ効果を狙うことはできるでしょう。
では、筋肉や能力と違って、クリエイティビティはどうなるのでしょうか。必死にトレーニングをする芸術家や科学者って、あまり想像できません。
しかし、
このプロセスは、アスリートやビジネスパーソンに限らないといいます。クリエイティブな仕事をしている人たちにも当てはまるのです。科学者たちが偉大な発見をするプロセスを著者はこんな風に整理しています。
ステップ1 没頭:高い集中力を発揮しながらひたすら仕事に没頭する
ステップ2 熟成:休息と疲労回復のための時間。
仕事のことはいっさい考えない
ステップ3 ひらめき:アハ体験、すなわち不思議なひらめきが起きる
こと。新しいアイデアがわいたり、考えが深まったりする。
P.43
いずれにしても、まず負荷が必要で、休息はそのあと。もちろん、負荷なら何でもいいわけでなく、集中して取り組むこと、自分が何を目的に、どんなチャレンジをしていて、いまの自分のエクササイズや実力がどう足りないか、それらを寸分漏らさず感知するような高い集中力を発揮して仕事に取り組む、そういう負荷が必要なのです。
それがあって、初めて休息が生きる。
最近、どこを見回してもラクしてとか、カンタン、という言葉が躍っていますが、
楽をしていると成長しない。
言ってしまえば当たり前ことなんですが、その当たり前のことエビデンスをもとに納得させてくれるのが本書です。当たり前だけど、何か抜け道とか、ないのかな、と思ってしまうあなた!(というかわたし!)
そんなものはどうやらないようです(;^_^A
ラクして〇〇、といったたぐいの本に手を伸ばさなくなるという効用もあると思います
正月のやる気がまだ持続している間に読むことをお勧めしたい本です。