以前、こちらでもご紹介したアフタヌーン連載中の青春マンガ『ぐらんぶる』がなんとアニメ化されるようです。
めでたいけれど、あれだけ「全裸」
(男の)が多いマンガをどうやってアニメ化するのか。
今のアニメーションにおけるモザイク処理の発達から目が離せないところです。
さて、そんなわけで盛り上がってきた『ぐらんぶる』。
私も本棚の本を少しずつ減らしている手前、紙でこそ持ってはいませんが、電子書籍では9巻まで持っています。
先日、10巻が出ましたから、それもそろそろ買わねばと思っていますが、まだご存知ないという方のために、『ぐらんぶる』の魅力、
いや、あえてここでは注意点と言わせてください、をご紹介します。
注意点1:お酒は二十歳になってから
このマンガは、大学生として新生活をスタートさせた主人公の北原伊織(男)がダイビングショップを営む叔父の家に居候しながら、大学のダイビングサークルに所属し、そこで出会う先輩や同級生ショップ店員の従妹姉妹と交流を深めていく青春ダイビングマンガ、なのですが、驚くべきはエピソードに占めるダイビングシーンの少なさ。ほとんど潜りません。
潜らないで何しているかというと、ほぼ酒を飲んでいます。それもスピリタスといった強いお酒です。
新入学の大学生なのに、お酒をガンガン飲んで、イッキして、スピリタスなどというアルコール度数が9割を超える酒をガンガン飲むという、「これはマンガですからね!登場人物は全員20歳を超えていますからね」というエクスキューズがどこかから聞こえてきそうな内容です。
昨今、国民的アニメ映画ですら、喫煙シーンがあって、どうなのか、と言われるご時世ですから、かなりきわどい演出といえましょう。
一応、北原が自分を「未成年だ」というシーンはないので(いう前に口をふさがれる)セーフなのでしょう。アフタヌーンという掲載誌の性質もあるのかもしれませんが、実にチャレンジングです。
これが注意点その1
注意点2:全裸で大学に通ってはいけません。
注意点その2、このマンガにはほぼ数ページに一回の割合で全裸シーンがあります。(男の)登場する学生たちは、すべからく飲むと脱いでしまう。
いやむしろ脱がないと飲めない、という性癖の持ち主であり、前述の飲酒シーンの多さから、必然的に肌色比率が高まります。
マンガだと肌色ではありませんけれど(;^_^Aアニメ化されたら毎回スゴイ肌色比率なのだろうなと、今から心配でなりません。
注意点3:好きなことには全力で
注意点3、それでもこのマンガはとてもいいマンガです。
お酒を飲むシーンが多いのは、昨今の風潮からしてちょっといかがかとは思いますが、
バカやってる青春モノのガジェットの一つ
として目をつぶるしかありません。
このマンガの最大の魅力は、酒でも全裸でももちろんなく、「好きなことに正直に全力で」というメッセージ。
主人公の北原伊織であれば、それは、ダイビングです。
ほとんどダイビングしないと書いてしまいましたが、それでも3巻に一回くらいの割合で(正確に数えてませんがイメージで)ダイビングをするのですが、そんなとき、いままで馬鹿をやっていた先輩たちが急に真面目になり、「命にかかわることだ」といって真顔で講習をしたり、水嫌いの主人公が、少しずつ海の魅力に目覚めて言ったりそういったシーンではこのマンガはとても真剣で、前向きです。
誰もがあるあるといい、誰もが経験しているわけではない理想の青春
主人公の北原伊織は今時の主人公にありがちな鈍感設定で、友人も重度のオタクやカスばかりなので、恋愛で人間関係がこじれることもなく(10巻でどうなるかわかりませんが)、誰もが一度は過ごしてみたかったあほで充実した青春を見せてくれます。
・廃校をつかった肝試し
・宮古島へのダイビング旅行
・部費を稼ぐための学園祭の参加
・えぐすぎるバイト経験
・盛り上がる女子大の学園祭への遠征
どれもこれも、誰もがあるあると膝を打ちながら、でも誰もがほんとうは経験していない
「ありそうでなかった」
「なかったけれどほしかった」
そんな体験をえらんでみせる絶妙さがこのマンガの最大の魅力でしょう。 未読の方は、ぜひおすすめです。