モノを整える:本棚に最後に残したい3冊はこれだ

本棚に3冊だけ残しておきたい本、というテーマを振られたら、どうこたえようかと考えている。誰もそんなテーマを振らないから、などと突っ込んでいたら、ブログは書けない。誰に頼まれたわけでもないのに、毎日ひたすら書く、というのはそれはそれでしんどいのである。

しんどいから、私は毎日は書いていないのだが。

さて、本棚に残しておきたい3冊である。この場合、読むのは当たり前だが、自分である。ここは実は大事なポイントだ。よく、無人島に持っていくなら、という話を友人知人、まかり間違って会社の同僚などとする場合、この3冊は自分の愛書、というよりは自分の愛書だと他人に思ってほしい蔵書、である可能性が限りなくたかい。

つまり、自分を語るための、騙り本である。

そんな本を本棚に3冊残してしまったら、毎日羞恥心に身を焼かれててしまう可能性が高い。程よくエスプリがきいており、なおかつ知的にも香ばしく、格調高い、そんな本を毎日読んだらさぞ気が滅入ることだろう。特に本は期待値で買ってしまうことがあるんので、気を付けないと本棚というのは「なりたい自分」を映し出すとても恥ずかしい鏡になってしまいやすい。

もとい、であるからして、そんな羞恥心で身を焦がさないためにも、もし本棚に3冊残すなら、というお題には真摯に取り組みたいものである。

そこで考えられる毎日の伴侶とすべき本の条件とは一つに「笑える」ことである。これが一番大事。人間、これ以外のことはあとはなんとか自分でできる。ただし、笑うのは一人ではなかなか難しいのである。

小説、エッセイ、マンガで1冊ずつ。笑える本をピックアップしてみた。どんなにへこんでいても、この3冊は自分にとって鉄板。笑える三冊。

小説部門 森見登美彦『太陽の塔』

あホンダラ大学生の失恋話。独特の語り口で最初から最後まで飽きさせず読ませる。一番のツボはこの中身で日本ファンタジーノベル大賞受賞作であること。

エッセイ部門:カレー沢薫『負ける技術』

圧倒的な負けっぷりで、もはや負け組などというチーム単位での称号すらふさわしくない断トツの一人負けトップランナー。一番笑えるのは、マンガ家なのに、たぶん絵よりも文章の方がうまいこと。

マンガ部門 :井上賢二『ぐらんぶる』

表紙詐欺としか思えない。海辺の大学でダイビングサークルにはいって、美人のいとこ姉妹と同居して、ほぼ毎日全裸、という字面設定無双。しかし、その実は男だらけの飲み会マンガ。

どれを読んでも笑うことができるので、ぜひお試しいただきたい。これを読んでも笑えない、という人は、おそらく友達にはなれないだろうが、おそらく尊敬すべき良識人であることは間違いない。

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