『銀の匙』第4巻 感想 嗚呼 豚丼がベーコンに

『銀の匙』4巻 

出荷されたベーコンが肉になって帰ってきます。

その重さ51キロ。

「ちっちゃくなっちゃったなあ」という八軒

25296円ですべてお買い上げします。

八軒はその肉を一人でベーコンにすることを決めるのでした。

つくったベーコンを買いに来る先輩もいれば、お金がないからブツブツ交換を持ち掛けてくる先輩もいて、八軒の作ったベーコンはエゾノーのなかを流通していきます。

自分が育てた豚を、自分で仕入れて、加工して売る

そのサイクルを初めて八軒が体験するとても大事な巻がこの4巻です。

そのほかにも、男子寮の面々が謎の巨大〇〇〇を見に行くエピソードや、泣いている御影とそれを慰める駒場を目撃してしまう八軒が、その理由が若わずに悶々とするエピソードなど、今後の続巻の伏線ともなるエピソードも詰まった盛りだくさんな第四巻でした。

命をいただく、ということに向き合ってきた八軒ですが、ベーコンが肉になって戻ってきたときに、思っていたよりは冷静で、特に取り乱したり、ということはなく、結構淡々としたいたのが逆にリアルで印象的でした。

なんだか、本当にあっけないものなんだな、ということを見せられている気がします。その肉をあの夏のバイト代で買う、というのもまたいい展開で、親からもらったお金だったり、他のバイト代だったりではなく、自分が真剣に取り組んだ御影牧場でのバイトで稼いだお金を、ここで使う、という八軒の行動の意味がより読者に伝わる素晴らしい展開でした。

素直に、うまいなあと思います。

私としては、この巻でもちょっとしたカットに挿入される先生方の顔が非常にツボでした。ときに

「たきたてごは~ん」

「仲の良い兄弟ですな」

というカットが非常にツボでした。

※ちなみに、なぜいきなり4巻から感想かと申しますと、1~3巻は別の場所で読んではまってしまい、そこから4巻~14巻までを一気に購入したため、まだ手元にないんですね。ただ、近日中にそろえて表紙画像ともに、順に感想を書いていきたいと思います。この歳になっても、マンガ面白いなあと久しぶりに衝撃を受けた良作でした。

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