(※マガジンハウス『Fine』2017年12月号より)
10年ぶりにアウターを新調することにして、いろいろと健闘した結果、カナダグースのマクミランを選ぶことにしました。
人気も一回りしてだいぶ落ち着いた感があるカナダグースですが、それでもあえてむこう10年の真冬のお供として選んだ理由について、まとめてみました。
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環境が育てた究極の耐寒性
「犬ぞり師や探検家、警察官やカナダ首相までも愛用する」(『PEN』440号)「耐寒性はさることながら、比類ない耐久性を誇るこのウエア」(同前)それがカナダグースです。
北極圏を国土に持つ国が育んだ60年にわたる伝統をもつこのウエアはカナダにある工場でほぼハンドメイドで、今現在も生産されているといいます。
極寒地で生き抜くために徹底した防寒性と耐久性を追求したウエアはまさに環境が生んだプロ仕様。
メイドインカナダに徹底してこだわる
カナダグースのウエアはいまだにすべてがカナダの国内工場で1点1点つくられています。
しかもほとんどの作業がほぼ手作業で、1着のジャケットを素材から完成させるまでにかかる時間は約4時間だそうです(同前)。
ていねいに作られたダウンは、高い防寒性だけでなく、た長く付き合っていくものだからこそ、人の手でていねいに作られ、長年使える耐久力と持久力を備えます。
クールビズであっても朝晩はネクタイを締めたいし、10月になればコートにマフラーという超寒がりの私が、選ぶ10年ぶりのアウターとしてはこの「防寒」という機能を極限まで追求したブランドはまさにぴったり。
質実剛健な機能美
それになんというか、ちょっとあか抜けないというかいい意味でかっこよくないんですよね。それが逆に着やすい。
もともと防寒性能が第一のアウターですから、機能美としてかっこよくあるわけで、ザ、おしゃれ、というのとはちょっと違うところにいるのがカナダグース。
その魅力はおしゃれに着こなすとか、そういった細かいことを気にしなくてもいい、質実剛健な機能美にあると思います。
(あ、でも女性でスリムな方がジャスパーあたりを上品に来ていると、おしゃれだなと思うことはありますが)
雑誌『PEN』440号でカナダグースの中面特集が組まれていますが、そのキャッチが『人と環境が育んだ機能美のウエア』。カナダグースの本質が機能美にあると思っているのはあながち私だけではないでしょう。
例えば、軍服がおしゃれかというと、そうではない。そもそもそういう尺度ではかられることを想定していないので、おしゃれかどうかという尺度ではかるのはおかしい話ですよね。
カナダグースもそんなイメージがあります。
そもそもおしゃれかどうかというのはモノゴトの本質ではありません。シンプルライフをともにする装いには1つには機能、そしてそれに付随する機能美こそが一番大事、そんな気がします。
デイリーユースにぴったりなマクミラン
カナダグースのなかでも、今回私が選んだのは、とくに寒冷地でのデイリーユースを想定してつくられたマクミランパーカ。
日本人の体形にあったフィージョンフィットは暖かいダウンにもかかわらず、着ぶくれ感のないスリムなシルエットです。
加えて、ポケットがたくさんない点が高評価。タウンユースではそれほどたくさんのポケットは必要ないというのが、私がこれを選んだ理由です。先ほど、カナダグースは機能美がある、と書き、軍服を例に出しましたが、だからと言って、軍服を街中で着るわけではありませんよね。
そしてここはヒマラヤでもありませんし、北極圏でもありません。だからこそ、デイリーユースでちょうどよく、シンプルなスタイルのマクミランを選んだというわけです。
一にもにも機能(防寒性)
ていねいな手仕事で作られた耐久性(と信頼性)
使う場所を意識した引き算のデザイン(マクミラン)
この3つが今後10年使うアウターとして、カナダグースマクミランを選んだ理由です。
そんなわけで、
アウターは長く使えるいいモノを、という方にはぜひおすすめです。