魅惑のハニートラップ

宮崎謙介元議員の不倫報道が載った週刊文春を読んでいた妻が

「ここに書いてあるハニートラップとは何か?」

と真顔で質問してきた。

すわっ!ここにカマトトがいます

カマトトですよー!と一瞬身構えたが、結婚8年にもなる旦那にカマトトぶっていいことなど一つもあるはずはない。

本気だ。これはこちらも相応の覚悟で臨まねばなるまい。
居ずまいを正して、真剣に答えた。

「むかしむかし、あるところに、くまのぷーさんの愛称で親しまれるサンダースという熊がいた。サンダースは三度の飯よりハチミツが大好きな陽気な熊だったが、あるとき、木のコブのなかに、大きな蜂の巣をみつけた。よろこんだ熊、サンダースは、頭からコブのなかに体を突っ込み、思う様、はちみつを舐めたのだ。するとどうだろう、サンダースはみるみる太り、はちみつの木から出られなくなってしまったのだ。このざまは舎弟のクリストファーロビンが彼の窮状を知り、仲間を引き連れて救出に訪れるまで続いたという

人間、欲をかくとろくなことはなく、えらい目にあう。
ほんのちょっとと思っても、いつの間にか深みにはまってしまう罠

これをハニートラップというのだよ」

「なるほど、人間としての欲にまけてしまったということだね」

「そういうことだ」

土曜の午後。我が家は今日も平和である。

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