絶対に手放せない3つの万年筆 セーラー80周年、万年筆道楽、富士

モノを減らして、持ち物をだいぶ整理してきましたが、それでも手放せないと思う万年筆が3つあります。それぞれライトブラウンとダークブラウンの2種類が存在するので、合計6本になりますが、それぞれに違いと良さがあり、手放す気になれません。手放すことについて書いているブログですが、残すものについてもまとめてみたいと思います。

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セーラー80周年記念 ブライヤー万年筆

1991年に500本限定で発売されたsailor周年記念の万年筆。ブライヤー軸の万年筆の中でも屈指の人気を誇り、発売からすでに25年以上経過しているにも関わらず、いまだに中古市場に現れれば即完売の状態が続いています。

80周年記念はブライヤーという素材をつかった万年筆の金字塔といっても過言ではありません。ライトブラウン、ダークブラウンともにコーティングが施されているのが特徴で、この人工のコーティングを嫌う向きもありますが、あえて一層重ねることで、ブライヤーの杢目の秀麗さが際立つことは否定できません。

日常的に使うというよりは、ときおり出してみてはその杢目を鑑賞して、ため息一つついて箱に戻すというのが正しい使い方ではないかとすらおもう、モノとして完成した、いわば「芸術品」がこの80周年記念ブライヤーです。

セーラー90周年記念 万年筆道楽

一方で90周年に発売された万年筆道楽は、80周年にくらべてサイズアップした大柄のデザインで、そこに高級なブライヤーを惜しげもなくつかったまさに道楽的な1本。

コーティングはされていませんが、もとの素材の選別が効いているので、ブライヤーの杢目、手触りを十分に楽しむことができます。

また、このシリーズは万年筆道楽と書かれた木箱に収められて、専用のボトルインクもセットでリリースされており、軸以外の部分でも趣味道楽としての万年筆の魅力を存分に楽しめるような工夫が行きとどいたプロダクト。

のちには現代の名工に選ばれた万年筆の神様・長原宣義氏を擁したsailorが力を込めて制作した「工芸品」です。2001年に900本限定で発売されています。

柘植製作所 富士ブライヤー

最後に、ご紹介するのは、柘植製作所の「富士」シリーズ。柘植製作所はもともとが、sailorがブライヤー万年筆を発注していたところですから、80周年にしろ、90周年の万年筆道楽にしろ、もとは柘植製作所で作られた軸です。

その柘植製作所がオリジナルで軸をつくり、ペン先をsailorがOEMで制作したものが「富士」シリーズです。とくにブライヤーの軸は当時で15万と値段もはりましたが、その値段に見合った質の高い素材を、コーティングすることなく仕上げています。

しかもフォルムは80周年に近いので、自分の手で育てたいユーザーには80周年と同等、もしくは超えるクオリティのオルタナティブとしても注目された万年筆でした。「芸術品」であり「工芸品」としてパイプをつくり続ける柘植製作所が手掛ける「実用品」としての側面を持つシリーズといえます。

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