キャリアコンサルタントの資格取得にはいくらかかるのか【費用まとめ】

みなさんはキャリアコンサルタントという資格をご存知でしょうか。

労働者や学生に対してキャリアの相談に応じ、指導・助言を行う専門家です。平成28年に国家資格化され、現在全国で4万人ほどがキャリアコンサルタントとして登録されています(名称独占の登録制)。

私は、第11回の試験で合格し、先日キャリアコンサルタントの登録申請を終えたばかりです。

人生100年時代にあって、個人が多様な働き方をするための支援をすべく、国はキャリアコンサルタントを10万人養成する計画をたて、平成31年までを集中養成期間として給付金の優遇措置を講じるなど様々な措置でこの資格者を増やそうとしています。

ハローワークなどの職業相談窓口や大学の就職センターなどの直接就職に関わる職場以外でも、人事担当者や管理職などで取得する人も多く、現在注目されている資格といえます。(ただし、この資格があれば食える、といったものではなく、そのあたりは業務独占の士資格とはもちろん違います。)

しかし、このキャリアコンサルタントの資格ですが、いきなり試験を受けることはできません。以下の受験資格があります。

厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方(添付1)

労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験(※1参照)を有する方

技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方

平成28年3月までに実施されていたキャリア・コンサルタント能力評価試験の受験資格である養成講座(添付2)を修了した方(平成28年4月から5年間有効)

JCDA
https://www.jcda-careerex.org/information/requirements.html

これから、キャリアコンサルタントを目指す方は、普通はこの一番目の養成講座の通う必要があります。

私はリカレントキャリアデザインスクールという団体が実施する養成講座に通いました。学科対策は通信でWeb授業だったので後期の実技のみ教室に通学。18人ほどのクラスメートと面談のロールプレイなど、実技試験の対策を行いました。

ちなみに、 養成講座は私が受講したときは140時間(うち実習60時間)だったものが、キャリアコンサルタントの能力要件の見直しにより、2020年度以降は150時間(うち実習70時間)に拡充されるといわれています。

さて、このキャリアコンサルタントの資格ですが、養成講座に通う前提で果たして取得にいくらくらいかかるものか私の経験をもとにまとめてみました。

Contents

養成講座費用

まず最も大きいのは、認定講座の受講料です。キャリアコンサルタントの受験資格を得るには、前述のように厚生労働相が定めるキャリコンサルタントの能力要件にそったカリキュラムを140時間学習する必要があります。講座自体は、日本マンパワーさんや私がお世話になったリカレントキャリアデザインスクールさんなど様々な団体が認定を受けて実施しています。時間数の制限があるので、料金はだいたい同じようなものですが、私がかよったリカレントさんのライブ通信の例だとこんな感じです。

393,120円(入学料21,600円、受講料371,520円)

受験料

忘れてはいけないのが受験料です。キャリアコンサルタント試験には実技と学科があり、それぞれ別々の日程で行われ、受験料も異なります(学科合格、実技合格双方がそろってはじめて合格となりますが、判定自体は別々に行われるので、一回目の受験で学科だけ受けれて合格すれば、次の受験では学科を受ける必要はありません。一方で実技を落ちると、次の試験でまた実技の受験料として三万円払うことになります…)

学科試験 8,900円

実技試験 29,900円

合格後の登録手数料

そして、無事に合格してもそれで終わりではありません。キャリアコンサルタントは登録制なので、試験に合格しただけではキャリアコンサルタントと名乗ることはできません。登録申請をして、それが受理された初めて「私はキャリアコンサルタントです」と名乗ることができるのです。

そして、それにも登録手数料がかかります。

登録免許税 9,000円(収入印紙)

登録手数料 8,000円

合計

基本的には、認定講座の受講料と試験自体の受験料、合格したら登録料で45万くらいかかるわけですが、これだけすむかといえばそうでもありません。

自習や学校に通うために必要な費用

基本的な参考書は認定講座で配られ(リカレントの場合は)費用も含まれていますが、そのほかに試験対策で有用といわれる本もありますので、書籍代もかかります。また、認定講座は私の場合は夜だったので必然的に外食が発生することもありました。また、ライブ通信講座はWeb配信ですが、家で座って動画を観るのはWi-Fiで問題ないとしても、会社の行きかえりに動画を観るとなるとパケ死は必至でしたから、追い込み期間だけはポケットWi-Fiのレンタルをするなどして勉強をしていましたので、(月5000円くらい)その費用もかかります。

なんだかんだで50万くらいは資格取得にかかっている計算です。(しかも私は運よくストレート合格しており、リカレントの講座も必要な認定講座しか受けていませんでしたが、面接実技の追加実習講座(8万くらい)を申し込んだり、それでも運悪く実技で不合格になったりしてしまえば、次の受験料も3万円近くまたかかってしまうなど、結構お金のかかる資格であることは確かです。

国の給付金は充実、実質11万で資格が取れるというけれど…

そのため前述したとおり国も専門実践教育訓練給付金の補助率を70%(2019年5月現在はまだこの補助率ですが、今後集中養成期間が終了すれば下がる可能性があります)とするなど、優遇はしています。

これはどんな制度化というと、認定講座の受験にかかった費用(私の場合は39万※端数はいまは考えません)の50%を認定講座の修了を条件に給付する補助と、そのあと試験を受けて一発合格して就職が決まれば、さらに20%を給付するというものです。

ですから非常にざっくり計算すると認定講座にかかった費用(追加の面接講座などがこれに含まれるかは私は受講していないので不明です)のうち19万5千円が講座の修了で戻ってきて、そのあと試験に一発合格して就職できれば(すでに働いていれば、そのままでOK)さらに7万8千円が戻ってくる計算になります。

よって、自己負担は11万7千円程度となります。(あくまでリカレントの受講料をベースにしているので、他の認定講座の場合は、その受講料がベースになります)これに受験料、登録料の5万が乗っかり、もろもろ考えて自己資金は20万くらいあればなんとかなります。

一発合格しなければさらに負担は重く

ただし、これはあくまでも一発合格した場合の試算ですし、一時的とはいえ、50万近いキャッシュアウトがあるのも事実なので結構腹をくくって勉強しないともったいない資格ではあります。

私が受験したJCDAの第11回試験の合格率は学科と実技の同時受験で56.4%。個人的な感想からいっても学科と実技の論述はしっかりと対策をしておかないと普通に落ちます。

人生100年時代を見据えて国が養成に力をいれるキャリアコンサルタント資格ですが、その取得には50万近くの投資が必要です。それを無駄にしないためにもまず求められるのは一発合格。今度はそのためのポイントを経験にそってまとめていきたいと思います。

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