できるだけ、余計なモノは増やさないようにしているなかで、場所もとって、次々ふえるというシンプルな生活の天敵ともいえるのが雑誌なわけですが、それでもたまに買ってしまうのがこちら。モデルグラフィックス。
いわゆる硬派な数少ない模型雑誌の一つで、他誌が新製品紹介などに紙面を大きく割くなかで独自の切り口の特集で毎号読者を楽しませてくれる、「編集者の腕の見える雑誌」の一つです。それが今月号で400号記念。これは久しぶりに買わなければと思ったのですが、購入の決め手はそれだけではありません。
この雑誌になんとも驚くべき記事が。これだけ持ち上げておいてなんですが、記事としては新製品紹介。
今年の3月にバンダイから発売される
マスターグレードモデルの記念すべき200作目のキット、それがこちら
PLAN 303 E ディープストライカー
です。
このブログを読んでくださっている方のほとんどが
ディープストライカーってなんだよ、というか、むしろガンダムなんてしらねえよ、
という方がほとんどだと思います。
いや、ガンダムは知ってるよ、お台場に立ってたやつだろ、
そのなかの一つなんだな。お疲れお疲れ、
という方もいるかもしれません。
でも、そうではないんです!
このディープストライカーというガンダムは「いわゆる本物のガンダム」ではないのです。サンライズが企画し、バンダイがスポンサードして、アムロやシャアが戦ったり、最近まで何度も新シリーズがアニメ化されているあのガンダムでは全然ないんです。
このガンダムが登場する作品は「ガンダムセンチネル」。圧倒的な人気を誇ったガンダムという作品の誌上スピンオフとして、冒頭でご紹介したモデルグラフィックスが独自に作り上げた独自のガンダムなんです。
ウィキペディアに詳細な経緯が書かれていますが、もともとはバンダイが発注した企画だったようですが、その後モデグラ編集部が引き揚げ、独自のストーリーを構築し、誌上連載をスタート。精密な設定と、カトキハジメ氏によるイラストワーク、それを3次元に立体化してしまうモデラ―の競演という、一つの模型雑誌が成し遂げたとは本当に信じられない熱量の作品としてこの世に誕生したのがガンダムセンチネルです。
高橋昌也によるレベルの高いノベライズ、かときによるデザイン、あさのまさひこ監修による作例を軸に、ガンダム世界の「リアル」をとことん突き詰めたセンチネルは高い人気を得て、3年に渡る長期連載となった。また、模型業界の事情や、モデラーやユーザーの意識を問う記事、模型雑誌としては異様とも言える様々なコラム、かときはじめによる実際の航空宇宙技術開発の解説を踏まえたMSのメカニズム解説、明貴美加による「モビルスーツ少女」など、多様な記事が掲載された。また、読者と企画側の間で熱い意見が交わされた読者投稿コーナーの常連からは後に、何人もの模型ライターが誕生している。
その作品の出自から、アニメシリーズ化はされていません。
しかし、当時から、その圧倒的なクオリティで人気を集め、バンダイからも後追いで、作品に登場するモビルスーツがキット化されるなど、後追いで本家ガンダムに組み入れられた鬼っ子ともいえる作品なのです。
そのセンチネルに登場するモビルスーツがSガンダム
抜群の人気で、現在ではバンダイからプラモデルとして発売されています。
余談ですが、このSガンダムの発展形がEx-sガンダムといって、私がマスターグレードのキットをつくりかけていて、5年ほど前から中断し、いつになったらできるんだという話をブログで書いたことがあるアレです。
↓コレ
ほぼ完成しかかっているのですけど、なぜかここからが進まなくて(;^_^A
もとい!
このSガンダム(Ex-s)のバリエーションとして、かつてモデグラ誌上で300番台の兵装バリエーションとして提案されていたのが。303E 「ディープストライカー」なのです。
かとき先生の設定画がこちらです。
これだけの情報量で、なんと当時のモデグラ誌上ではこれをスクラッチ(キットで発売されているわけがないのですから、モデラ―が自分で立体化しなければなりません)してしまったのです。(ベースになったのは1/144のEx-sのキットですが、そのほかの兵装はスクラッチモデルです)
それが、こちら
これがどんなにかっこよく見えたか。しかし、センチネル作品が次々とキットかされるなかでも、このディープストライカーはプラモデル化されることはありませんでした。(完成品キットとしては立体化されたことはあります)
しかし、それがついに、プラモデルのキットとして、バンダイの誇るフラグシップシリーズであるマスターグレードの200体目として発売されることが決定したのです。
こんなにうれしいことはない
かつてモデグラで掲載された作例と見まごうばかりの完成度。そして、あちらが1/144だったのに対して、こちらは1/100のサイズ。
砲身まで含めると全長54センチ。
お値段も21600円税込みというビックキットですが、センチネルの熱量、そしてそれがこうして本流のバンダイのキット、それも節目の200体目として発売されるとあっては、
これはもう買うしかありません。
場所も取りますし、作れる時間も当ても場所もなくても。
だってセンチネルなんですから(;^_^A