『BEATLESS(ビートレス)』※ネタバレ 人間たちの結末

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海内遼の物語

ミームフレーム社の御曹司として、社内の渡来銀河をはじめとするAI派と接触を図り、事態を収拾しようと画策。その過程でメトーデの三人目のオーナーとなり、初代オーナーである渡来の命令と矛盾する命令を出す存在としてメトーデに利用され、結果的に渡来を死に至らしめる。

以降はミームフレーム社側の人間の中で唯一のレイシア級のオーナーとなり事態にかかわる。遠藤アラトを人間として、かけがえのない友人だと思っており、当初は彼をレイシアから引き離すことが目的だった。

物語が進むにつれて、レッドボックスであるレイシアが人間社会に与える脅威を排除するために、「人間サイド」を守るために、遠藤アラトと対立していく。彼にとってはレッドボックスであるレイシア級も、超高度AIヒギンズも信用できないものであった。

村主ケンゴの物語

hIE嫌いが高じて、hIE排斥運動を主導する抗体ネットワークのメンバーに。レイシアが誘拐された事件で、抗体ネットワークのシステムを指摘に流用したことがばれ、紅霞から脅され、ミコト襲撃事件の実行を強要される。事件後は一時は日常生活が戻るも、採取的には司直の手によって逮捕される。

海内紫織の物語

海内遼の妹で、社内の人間派に担ぎ出される。自身は社内政治の道具にされることを嫌っていたが、メトーデに、自分のオーナーになれば、駒の一つから、巨大な力をもったプレイヤーの一人になれるといわれ、メトーデの二人目のオーナーになることを承諾する。

レイシアが偽装していた機体番号の照合を行うため、空港に出向く際に戦闘に巻き込まれる。メトーデに助けを求めるが、メトーデから相反する命令を受けて救助できないことを告げられ、また閉じ込められた車の窓から、自分にそっくりのhIEが救助されているところを目撃し、自分を抹殺することがメトーデと渡来銀河の本当の目的だったことを悟る。

その後、遠藤アラトに救助されるも、最後まで報われない。

メトーデとは違う意味で、一番かわいそうだったかもしれない子。

遠藤アラトの物語

本作の主人公で、どこまでもチョロかった。海内遼に心配され、村主ケンゴには嫌われ、エリカ・バロウズにはからかわれ、レイシアからは操られ、という、かわいそうだがすべてはお前のせい、と突っ込みたくなってしまう男の敵。

もとい、モノであるhIEに対しても分け隔てのない感情を向けるが、そこには深い考えがあってやっているわけではないところが海内遼をいらだたせ、村主けんごに嫌われる原因になっていることに本人は気がついていない。

彼がレイシアを信じるといったことで、かなり包括的にオーナーから委任を受けたと解釈した(?)レイシアは彼に知らせることなく、クラウド上で情報を操り、様々な事件を主導、誘導し、自身を世界で40機目の超高度AIとして覚醒させた。

そういう意味では、お前の主体性のなさが、世界を危機に陥れる、という罵倒をした海内遼はどこまでも正しい。

しかし、彼のそのチョロさが、超高度AIとして覚醒したレイシアが自身の用途として、人間とhIE(と超高度AI)が共存できる世界を提示する、という道を選ばせた(なぜならhIEに自我はないので、それを望んだのは遠藤アラトということになる)と考えると、彼のチョロさが世界を救ったともいえる。

最後は、大破したレイシアが自身のかわりに、まったく同じ「形」をした、レッドボックスでもなんでもない普通のhIEであるレイシアを受け入れ、彼の物語はハッピーエンドで幕を閉じる。

以上、まだまだエリカ・バロウズとか、遠藤ユカとか、登場人物はいろいろのこっているのですが、人間サイドのまとめはここまで。あらすじというよりは、読後に遠藤アラトと海内遼との二項対立がこの物語の一つの軸だと思ったので、そこについて少し書き残しておきたかったというところです。

やはりチョロい男が世界を救ってしまう点はいかんともしがたいか(;^_^A

がんばれ海内遼!

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